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藍風

手の平で輝く、水の惑星。
その誕生と、それを支える人びとの物語。

「藍風をひらいて約30年になります。本部町に工房を移して20年程。このあたりは昔から藍の産地で、工房で使う藍は契約している近隣の農家に育ててもらっています。また、少しですが自分の畑も持っています。ものづくりを深めていくと、産地や発祥の地に身を置きたくなるのは、ものが生まれ、育って来た歴史や必然性を肌で感じたいからなのでしょうね」
と語る、城間正直さん。

工房とカフェ、ギャラリーを併設した城間さんの拠点「藍風」は、沖縄の北部、本部町伊豆味の緑深い山の中にある。現在は奥様と三名のお弟子さんと共に「藍風」を営む城間さんが染色を志したのは30歳を過ぎたころ。起業や陶芸家など様々な職業を経た城間さんにとって、染色はようやくたどり着いた天職だった。

「33歳でしたかね。栗山吉三郎さんという師匠に出会い、先生の紅型工房に弟子入りしました。当時の沖縄は海洋博バブルで、紅型は沖縄土産の代表として飛ぶように売れました。工房も海洋博に出店することになり、新入りの僕が行くことになりました。そこはお客さんが染める工程を見学できるようになっていて、見られながらの仕事はだいぶ緊張ましたね。けれど、この仕事のおかげで、わりと短い期間で技術が身に付いたと思います」

沖縄らしい独特の色彩と柄が、持ち味の紅型。なかでも城間さんが特に心ひかれたのが、染料の一つである藍だった。

「藍はね、何度見ても飽きないんですよ。紅型では既に染料となっているものを使いますが、経験を積むにつれ自分で藍を建てたいと思うようになりました。
藍健てから染めに至るまでのプロセスは、本当に神秘的です。藍甕から出したばかりの布は緑色に染まっているのに、空気に触れると30秒足らずで藍色に変わる。 天気や湿度によっても染め上がりが変わりますが、時に、予想以上に艶やかな、目が覚めるような色が出るときがある。そのときの感動は、ひと言では言い表せません。いつも初めてのような気持ちで取り組んでいますし、だからこそ30年も続けてこれたんでしょうね」

また、琉球藍と呼ばれる沖縄の藍は、県外や外国で育つ藍よりも明度が高い。
やさしい風合いの藍染めの布をまとうと、沖縄の海に包まれているような、明るく穏やかな気持ちになる。
加えて、藍風では原料の藍から色止め材に至るまで、体に安心な天然素材を使っているため、最近では自然志向の若い女性にも人気があるそうだ。

「いまの若い人は生まれたときから人工物や化学製品に囲まれているので、よりいっそう、自然のものを身近に置きたいという気持ちが強いのかもしれませんね。うちでは色止め剤に柿渋を薄めたものを使っています。そのため年月が経つにつれて色があせていきますが、それも自然の変化だと喜んでくださいます」

こういった流れを受け、ますます成熟しつつある自然素材やオーガニック素材のマーケット。これらを用いてセンスの良い衣服や小物を製造し、販売するブランドやお店も増えている。
藍風でも2年前からブランドの開発プロジェクトに参加。より多くの人に藍染めの良さを伝えることをテーマに、県外の専門家や県内のデザイナー、工芸の流通会社と何度も話し合いと試作を重ねた。その結果、「花ブロック」という沖縄で昔から使われている建築資材のひとつを、デザインのモチーフに決定。これを抜染という手法で染めあげ、トートバッグとストールを制作した。
これらはシンプルながらも目をひく仕上がりで、評判も上々。
県内のテレビや雑誌などで紹介され、これからの展開が楽しみなアイテムだ。

「伝統を守り伝えていくことも、今のお客様のニーズにあったものを作ることも、どちらも好きですし、大切。本来、ものづくりは必要とする人がいて成り立つものだし、使いやすく、理に叶ったものが残り、伝統と呼ばれるようになったのだと思う」

城間さんは、伝統と今を自由に行き来し、使う人に寄り添う。
そして、一人、また一人とファンを増やし、沖縄の藍を未来につなげてゆく。

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